ミッション

2023年は、日本とカンボジアとの外交関係樹立70周年の節目の年に当たります。

これまで両国は政府、議会、民間の幅広い主体の交流等によって相互理解と友好親善を深めてきました。

日本のカンボジアへの官民による様々な国際協力は同国の安定的な経済発展に寄与しており、プノンペンなど都市部では各種インフラの整備が進み、経済活動が活発になるなど一定の成果が見られるようになりました。

その一方で、地方や農村部は国の経済発展から取り残され、自治体の財政が脆弱であるほか、家庭の貧困や失業など多くの困難により学校に通ってきちんとした教育を受けられず、読み書き、計算といった基礎学力が十分にない児童も少なくありません。

このように、カンボジアでは都市部と農村部の格差が均衡のとれた安定的な経済発展を遂げる上で大きな問題となっているのが現状です。

日本が、官民の協働により取り組む開発協力には、国を問わず1人1人が尊厳の中で安心して人間らしい生活ができるようにとの「人間の安全保障」の考え方が通底しています。

その実現を図る上で不可欠なことの一つに、人材育成・教育がありますが、カンボジアにもこれが当てはまります。

とりわけ、国の未来を担う青少年の教育は国家百年の計であり、それを疎かにしては国の発展も国民の豊かな暮らしもあり得ません。

ましてや、過去に非常に辛く不幸な経験をしたカンボジアの国が全体としてさらに発展し、そこに住む人々が人間らしい豊かな暮らしができるようになるためには、農村部の青少年教育の向上に力を注ぐことが何より重要です。

これまで、私たちはカンボジアの農村部で子どもの健全育成を図るための活動を少人数でかつボランティアベースにより行ってきました。

しかしながら、限られた人員と寄付を主財源とする予算での活動にはおのずと限界があり、より充実した活動を行うためには、日本において特定非営利活動法人として設立し、必要な人員を揃え、両国からの経済的バックアップを含めた一定規模の予算を確保する必要があるとの認識に至りました。

以上にかんがみ、本法人は、

カンボジアの青少年に、教育環境改善のための支援や教育の質的向上への支援を通して、教育の機会均等に寄与すること

にフォーカスをして活動します。

この目的を達成するため、

(1)国際協力・国際親善の活動

(2)子どもたちの能力向上や健全育成を図る活動

(3)職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動

を推進してまいります。

また、本法人の活動は 、日本政府等もコミットしている国連の2030年SDG目標のうち、

「貧困をなくそう」

「質の高い教育をみんなに」

「人や国の不平等をなくそう」

の実現に向けて、皆様と共に歩んでいく所存です。